ポニーのいる特別支援学校として 第4回

各地の活動から

2023.5.22

深谷はばたき特別支援学校 | 川内 このみ

ポニーのいる特別支援学校として 第4回

ポニーを活用した小学部の教育活動実践事例  川内このみ

 

はじめに

 小学部では、ポニーとの触れ合いによる豊かな心と体の育成や生命の大切さを知ることなどを目的に、様々な授業でポニーを活用した教育活動に取り組んでいます。昨年度同様、今年度も各学年・学級でえさやりやブラッシング、乗馬や引き馬などの学習を積極的に行っています。今回は、小学部重複学級の児童を対象とした2つの事例を紹介します。

 

1.開校以来初の「河川敷での乗馬体験」

 本校は、大地を潤す「荒川」沿いにある学校です。毎年、春になると河川敷は桜や菜の花等が咲き誇り、見事な桜並木となります。「いつか桜並木を乗馬したいね」と、ポニー共育推進委員会のメンバーで冗談混じりに話していました。

 私は昨年度に続き、持ち上がりで2年生の重複学級の担任となったことをきっかけに「河川敷での乗馬体験」を実現させたいと思いました。担任している児童は昨年度、週1回の乗馬体験を継続してきたことでメロンに慣れ、それぞれが乗馬を楽しめるようになっていました。「メロンに乗って、春の草花や風を全身で感じてほしい」と願い、思いきって挑戦してみることにしました。

 河川敷での乗馬にあたって、委員会のメンバーの協力を仰ぎ、春休み中から練習を始めました。学校の敷地外を出て、公道を少し歩き河川敷へ。メロンは道草を食いたくなるところを我慢し、乗り降りの場所を含め子どもたちを乗せるルートを確認。これを2週間程度、ほぼ毎日練習しました。

 当日は、欠席の児童がおり全員で実施とはいきませんでしたが、2名が体験することができました。河川敷にやってくるメロンを、期待感を持って待ちわびる姿、早く乗りたくてメロンと並走して歩く姿がとても印象的でした。2名の児童は表出言語こそないものの、左右の桜の木々を眺め、春風を感じ、気持ち良さそうな表情で乗馬を楽しむことができました。メロンはというと、練習したルートを落ち着いて歩き、お陰で子どもたちも安全に乗り降りできました。

 

 

 

 

2.生活単元学習:「メロンの誕生日をお祝いしよう!」

 5月20日のメロンの16歳の誕生日に向け、小学部重複学級2クラス4名で「メロンの壁画」制作をしました。春はちょうどメロンの毛が生え変わる時期です。せっかくなのでブラッシングの際に出たたくさんの「抜け毛」を活用することにしました。

 下絵はクレヨンで教員が描き、そこに子どもたちが刷毛を使って、絵の具で鮮やかな色を塗りました。

 仕上げに、「しっぽ」と「たてがみ」にボンドで毛を貼っていくという活動です。メロンの毛を両手に包み込みふわふわを実感する児童、ふーっと風に吹き飛ばす児童など、それぞれが興味を持ち、遊びながら活動に取り組むことができました。

 

 

さいごに

 小学部におけるポニーを活用した教育活動について、2事例を取り上げさせていただきました。今後も本校でポニーを活用した取り組みが活発に行われ、子どもたちの豊かな心と体づくりの土台となることを期待しています。